存亡の危機

幸いなことに、うちのベンチャーはまだ経営を続けているが、
存亡が危ぶまれた時期が何度もあった。

まぁ今でも今後の先行きは怪しいものだが、
これはもっとも深刻だったときの話。

前回書いた数千万の損失により経営陣の責任が問われるのは当然のことだが、今更それを言っても使ったお金は戻ってこない。
資金が底をつけば経営責任もくそも無い。

どうしようもなくなり、とりあえず臨時取締役会を開催することに。

とは言っても、うちのベンチャーは、1/3程度が非常勤取締役となっており、アジア各国に散らばっているので、集めるだけでも大変だ。
できる限り早く開催したかったのだが、結局8月末に決定。

取締役会では、現場の経営陣であるアメリカ人と非常勤取締役であり、投資側であるアジア人との真っ向勝負。
アジア側が、損失や経営の責任を追及するも、アメリカ側はある意味開き直り、失敗(経営判断ミス)は認めるものの我々は最善の努力をしてきたなど言い訳の嵐。
資金が底をついたことも、自分達の責任はさて置き、資金注入が無ければ倒産(解散)も辞さないと脅しのような事まで・・・アジア側として現地にいる私は間に立たされて大変である。

正直、一緒に働いているとはいえ、アメリカ人達の発言には耳を疑い、その態度に怒りすら感じるほどだったので、「いっそのこと潰してしまえ!」と言いたかったが、私が投資している訳ではないのでなんとも言えない。

まぁ私にも責任の一端はあったとはいえ、当時は取締役でもなんでもない。
人が少ないので日本でいうような正確な役職は良く分からないが、駐在の部長だか課長というところだろうか。
ということで、あくまでもアジア側として温度差するため状況を補足するのが役目。

そんなことはさて置き、今後どうするのかが大問題である。

アメリカ経営陣は成功を信じているだけに追加資金注入を強烈にアピール。
アジア側としても何億円も投資しているだけにこのままでは終われない。
が、みすみす追加投資をしてまた無駄遣いされると困る・・・

議論が平行線を辿ったため、結論を翌日に持ち越すことにして内部調整することに。
いずれにしてもこのビジネスを続けるためには資金は必要であり、アジア側の投資会社が留保している中から捻出するしかない。
そして、資金を出すからには、条件が必要である。

ということで、契約の見直しから、持ち株比率の変更、取締役の追加及び役職変更などなど、こちら(アジア側)が有利になるよう要求事項をまとめた。

事前にいろいろ検討し、用意していて助かった。
こんなこと一日やそこらで全部洗い出すのは無理な注文である。


結局、2ヶ月間を猶予期間として現体制を維持し、その間の必要最低経費を負担する代わりに先の要求事項を全て呑ませ、さらに、2ヶ月間で一定の結果が出なかった場合、組織変更や経営陣の交代などを具体的に再検討することになった。
当然、一定の結果という部分もかなり詳細まで規定した。


契約社会というのは、信用社会より不便なもので、常識的なことでも書面で残っていなければ何とでも解釈されてしまい、非常識な解釈でもアメリカでは当然のように主張してくるから恐ろしい。

相手の良心に期待できないのは残念だなぁ・・・などと日本人の私は考えてしまう。。


ビジネスを一緒に行い、目的は同じはずなのに、立場が違うと争いが起こる。
まぁ今回はアメリカ人達のやり方や態度が悪いのは自明だが、組織というのは小さくても上手く機能させるのは難しいものだ。
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